今回は古典的な絵画分析手法で「何が」描かれているかを見てましょう。
画面の上部1/3には空と遠景の街、教会の塔が描かれています。晩鐘というタイトルにもあるとおり、時刻は日没の迫る時間。画面左側に向かって太陽が沈んでいっているため、北東の方角に街が見える位置で、モデルとなる夫婦を南側から見たのでしょう。
中景には積み藁らしきものがいくつも描かれていることから季節は麦の収穫後の時期8月末~9月頃と推定できます。時間はパリの9月の日没時間が20:30なので19:30~20:00ぐらいでしょうか。
近景にはこの作品のタイトルにある通り晩鐘が鳴り響き、それを合図に農民夫婦が手を休め、農業用フォーク、籠、手押し車を置いて祈りを捧げています